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連載小説
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侵食
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AYA (1)
N技術大学の研究チームでは、この冬、一つの研究成果について盛り上がりを見せていた。
それは、独自の推論を用いた人工生命体の手がかりがようやく形になったことであった。
要するに、アンドロイドの雛型のようなもので、これまでも様々なAI技術の研究はなされてきたが、コンピュータ技術との兼ね合いで、なかなか生命に近づいたという実感を得ることが難しい分野であったが、ようやく一つの筋道が見えてきて、それは蓄積したメンバー全員の疲労も一気に吹き飛ぶ快挙であった。
試作機は『NGS-001』と仮の型番を与えられ、しかし皆は『AYA』という愛称で呼んでいた。
すなわち、女性の人格を認知していることを明確化しているのだった。
徹夜明けの研究室から見る久々の朝日は、雲に阻まれて弱々しいものであったが、しばらく日光とは無縁の中で格闘してきた彼らにとって、間接照明に近い明るさはありがたかった。
とは言え、窓の下に広がる一面の雪の海原、すなわち広めに取られた駐車場の上にまんべんなく敷き詰められた新雪からの照り返しは、まぶしさを眠気に昇華させるには十分であった。
チームのリーダーである岩崎雅史は窓の下方から差し込んでくる光に目を細めながら、帰宅の準備をする皆を横目に『AYA』に歩み寄り、改めてそのパーツに手を触れてみた。
それは、これまでの常識的な機械とは異質の、柔軟な弾力とほのかな温かみを返してきた。
雅史は、冷えていく部屋の中心でしばらくその感触に浸りながら、今後の『AYA』の行く末に思いを馳せた。
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